今回ご紹介するのは奈良県の大宇陀岩清水で小林農園を営む小林文一さん。
小林さんは30年近く有機栽培を営む大ベテランで
奈良県下で4番目に有機JASを取得されたという有機農家さんです。
40棟以上あるハウス内では、ほうれん草や小松菜などが栽培されており、
葉物の有機栽培では名人の域に達するほどの経歴をお持ちの方ですが、
この夏より青葱の栽培にも挑戦しているそうです。
ほうれん草、小松菜、青葱
青葱はほうれん草や小松菜よりも虫がつきやすいことや、
初期の水の調整管理がとても難しいため、
有機での栽培はとても無理だと言われているそうですが、
小 林さんはあえて難しい有機栽培に挑戦しています。
青葱の畝を見てみると、畝の上にネットが張り巡らされています。
これはこれまで小松菜、ほうれんそうを育てた畝を利用しているので、
土が肥沃なため、青葱が通常よりも成長しすぎて背が高くなることから、
その支えの役割としてネットを張っているそうです。
ですので、前作の残量の肥料で育った葉葱になります。
青葱は60日から80日かけて成長し、出荷されますが、
少しも気を抜くことなく、毎日の変化を見守っています。
「自然が相手だから一番しんどい」
口ではそ ういいながらも、そのしんどさを楽しんでいるかのように
黙々と作業に取り組む小林さんの姿。
ベテランとは言え、キャリアに奢ることなく、
またさらなる探求 心を忘れることなく日々自然と向き合っています。
前回の新規就農者である長木さん・前川さんとはまったく反対の
ベテラン有機農家さんにお会いしましたが、
共通することは有機栽培に対する探究心が深いこと。
そしてなによりも農業を楽しんでいるなぁと感じました。
このような生産者さんの思いをしっかりと受け止めて、
今度は会員の皆様にその思いを余すところなく伝えることが
我々の責務であると実感しました。
これからもそんな思いと一緒に、会員のみなさまに
野菜や果物をお届けしたいと考えています。
2011/10/14 センター 乾 竜介