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大阪愛農食品センターでは、地元大阪や和歌山
を中心に、有機や愛農で繋がる全国の生産者さ
んの農産物を取り扱っています。自慢の生産者
さん達を紹介しています。



月ヶ瀬健康茶園

紹介

月ヶ瀬とは奈良県旧添上郡月ヶ瀬村のことです。現在は奈良市に合併され、奈良市月ヶ瀬となっています。岩田さんご夫妻は、この月ヶ瀬で農薬不使用の安心・安全なお茶作りをされています。

 

(左)奥様の岩田ルナさん (右)岩田文明さん

 


2011年2月22日(火)晴れ 月ヶ瀬健康茶園へ

 『大和茶』の産地、月ヶ瀬

奈良県・月ヶ瀬健康茶園の岩田ご夫妻を訪ねました。月ヶ瀬は京都府まで車で1分、三重県には2分のところにあり、岩田さんの茶畑はちょうど奈良県・京都府・三重県の3府県の境に位置しています。私が訪問した当日は、心地良い日本晴れ、風が澄みとても気持ちの良い天候に恵まれました。
 

        

月ヶ瀬茶園・茶畑 

 

 

    

月ヶ瀬は人口約2000人・約500世帯の小さな村落ですが、先祖代々続くお茶農家が多く、有名な『大和茶』の産地として全国にお茶を送り出しています。お茶の産地としては、昭和50年代ごろが最盛期だったそうですが、現在も70軒から80軒ほどのお茶農家が有ります。その中で、農薬不使用の農家は岩田さんを含めて2軒のみだそうです。月ヶ瀬健康茶園さんも先祖代々続くお茶農家で、文明さんで4代目になります。農薬不使用栽培を始めたのは、お父様・岩田文祥さんの代、今から25年ほど前からだそうです。

月ヶ瀬茶園からの景色 


岩田文明さんの代から始めた「和紅茶」

文明さんは、『いつの日か父親の茶畑農家を継ぐ』という漠然とした気持ちはあったそうですが、大学卒業後はごく普通に就職をしたそうです。それが、サラリーマン時代に有機農業研修で訪れた、イギリスの有機認証団体『ソイルアソシエーション』のミーティングルームで、ただ何気なく頂いた紅茶がとても美味しく、コロコロと体の中に馴染むお茶だったことから、自分もこのようなお茶を作りたいと思ったことがきっかけとなり、今から約10年前(2001年)に月ヶ瀬に帰ってこられました。

 

その時に考えたのが、「世界中で自分しか作っていないお茶を作る」という事だったそうです。その「自分流のお茶」を考える中で、ある人から『紅茶』は作らないのですか?と訊ねられたことを思い出し、「日本で紅茶を作る」ということにいきあたって、和紅茶の生産を決めたそうです。


お茶の栽培・加工のこと

お茶の栽培のこと

月ヶ瀬健康茶園さんでは、遺伝子組み換えでない菜種油粕を主に、ボカシ堆肥、平飼鶏の鶏糞、魚粕、ススキなどの下草を肥料として使用し、有機許可資材以外の農薬は一切使用していません。330aの茶畑で、緑茶品種と紅茶品種を栽培されています。 有機栽培をしていて虫がつきませんか?という問いに、岩田さんは『虫がつくお茶ほど甘く茶葉が柔らかい。』とおしゃっていました。5月頃の茶葉(一番茶)は柔らかく、虫がつく寸前に収穫を行って、和紅茶に適した茶葉として加工するそうです。夏前の7月ごろの茶葉(2番茶)は、虫が寄って来ないように硬く育て、緑茶に適した茶葉に仕上るような栽培を心がけていますということでした。

摘み取る前の若々しい茶葉 

 

チャレンジ精神の強い文明さんは、受け継いできたお茶の樹を守り育てる一方、好んで多品種少量の茶葉づくりも進められています。「生産量は決して多くないけれど、とびっきりのお茶をこれからも栽培していく予定です」とおっしゃっていました。お茶の木は約30年間は実るようで、世代交代させていくにも同様の年月をかけているようです。お茶作りには本当に長い年月がかかるんだなということを実感しました。 

   
調子の悪くなった木を発見し、茶畑のなかに沈み込むようにして様子を診ていらっしゃった岩田さん。横から見ているとまるで木に語りかけているようにも見えました。
 

 

お茶の加工のこと

茶葉の加工の方法は大きく分けて3つあるそうです。一つは、収穫した新しい茶葉を蒸して(不酸化反応)揉み潰す方法で、これが緑茶になります。二つめは、収穫した茶葉を自然に茶色くなるまで置いてから揉み潰す方法で、烏龍茶と中国茶に多い加工方法です。三つ目が、蒸さずに新芽を萎らせてから揉み潰す方法で、茶葉が茶色くなります(酸化反応)。これが和紅茶を作る方法です。
 

新鮮な茶葉

 

文明さんは、お茶の栽培から加工作業まで一貫してご自身で行っておられますが、加工工場もご自身で作られたほどの拘りです。工場内は、緑茶加工室と和紅茶加工室とに分かれていて、さらに、製造の際には茶葉が混ざらないように圃場ごとに工程を分けるという具合に、品質の良いお茶を作る工夫が徹底されています。また、お茶の本場中国で作られたお茶を擦り揉む機械4台と、日本国内に10台ほどしかないという中国製と同様の機能を持つ機械(これは日本製)を使用されていますが、この日本製の機械には『へそ』部分が有り、茶葉をカットしながら揉み潰す仕組みだそうで、茶葉の細胞が破壊されて酸化反応が早いそうです。一方、中国製の機械には、『へそ』部分がなく、茶葉の酸化反応が緩やかという特徴があるということでした。

中国製の揉捻機。同じような機械が4台もあるのは、緑茶と和紅茶用に製造工程を分けているためです。


文明さんが考える将来のこと

文明さんは、お茶作り以外にも色々な活動に取り組まれています。昨年ウイークリーでも紹介しました「日本の紅茶を喫茶する」などのイベントなどがそうです。今後は、日本のお茶の良さを皆さんに楽しんでいただこうと、『月ヶ瀬茶畑公園』を作り、茶畑を開放して、お茶の収穫から加工まで楽しく学べる体験イベントを年に数回行う予定だそうです。「今は、お茶の樹がまだ3年目なので小さいけれども来年には収穫体験が可能になるかな?」とのことでしたのでお楽しみに。

これからは、有機農業を進める一方で、あらゆる人に有機農業の背景(自然環境・人体影響・生活の中)を知ってもらうことや、これからの10年後15年後の日本農業と日本の食を考えて今から何を繋げていくかを考えてもらう事が大切ではないかなとおっしゃっていました。

 


今回月ヶ瀬健康茶園さんを訪問し、目を見開かされたことや「さすが月ヶ瀬さん!」と感動することがたくさんありました。また、色々な農家さんや製造業者の皆様と人とのつながりや輪を大切にお付き合いをしていくことに、改めて気づかせていただいた一日でもありました。会員の皆様、是非、月ヶ瀬健康茶園岩田文明さんご一家のお茶を安心してお召し上がりください。そして日本の和紅茶と大和茶を心ゆくまで楽しんで頂ければと願います。

(報告:西田)



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