ホーム > オーガニックライフを楽しむ > 有機コラム >さぬき有機生産組合 宮下さん訪問レポート

有機生産者をとりまく状況から有機野菜の活用方法まで、
幅広い話題でコラムを掲載していきます。

さぬき有機生産組合 宮下さん訪問レポート

「安心安全なものを作るのは当たり前、食べ物は美味しいものを作らないかん」

 先日生産者旅行で香川県のサツマイモ生産者宮下さん(さぬき有機生産組合)を訪れました。年間さつまいもだけで50t、大根80tと様々な作物を栽培し、その傍ら近年では有機の苗の出荷もされています。広大な面積に人参の葉、大根の葉が青々と広がっています。

 これだけたくさんの物量を、奥さま、息子さん、従業員2名、パートさん10名とわずかな人数でこなされているため年中暇なしといった忙しさ。センターとのお取引が始まったのは5年前、さつまいもをはじめ、大根、金時人参、雑煮大根などをいただいています。電話でしかお話しをしたことがなかった宮下さんですが、実際にお会いしてみるとイメージとは違い、腰が曲がっていなければゆうに身長180センチは上回るであろうというほど背の高い方でした。70歳になる今でも動きが機敏で歩くのも速く、後ろから着いて行くのにこちらが小走りをしなければいけないくらいです。残念ながら天候に恵まれず、雨だったこともあり大きな屋根のある作業場兼倉庫の中で、出荷用段ボールを座布団替わりに座り、センターの職員、生産者ともどもお話を伺いました。

 まず宮下さんの口をついて出た言葉は「食べ物は美味しいものを作らないかん」でした。安心安全なものを作るのは当たり前、それに加えてどれだけ美味しいものを作っていけるのかという事を常に念頭において農業に取り組んでおられるそうです。サツマイモから始められてもう五十年、長年続けてこられた大ベテランです。2000年からはJAS認証も取得されていて、四国の有機生産者の中ではちょっとした有名人。土づくりを最も大事な工程と考え、根菜類に適した海の砂を数年ごとに客土しています。土壌分析を駆使し、徹底した理論をもとに微量要素などを有機物で補うなどの科学的な有機農業、いわゆる“小祝農法”を実践されています。初めは長年の経験や勘に頼らない新しい手法に戸惑いを覚えたとおっしゃっておられましたが、必死に勉強、試行錯誤を重ね今日までやってこられたそうです。「死ぬまで勉強、知れば知るほど、知らんことが増える、毎年進化していかにゃいけん、失敗は失敗でなく経験」と語る宮下さん。全てのことには原因があるという考え方で、当たり前のことを当たり前とせず、なぜ成功したのか、なぜ失敗したのか、と問い続け毎年進化しいくことを目指していると言います。「やることはやる、でも作物の成長は結局神秘、天気にはかなわんのう」と笑いとばす宮下さんの言葉には言い訳や甘えのそれとは違い、50年という経験におごることのない、農業に対する謙虚でいて貪欲な姿勢を感じました。


「生産者が自己満足でものをつくったらいかん、お客さんが望むものを作る」

 強いこだわりがあるのは作物を作る姿勢だけではありません。 “自分の作ったものは自分で売らないかん”というのをモットーに全国に多くのお客さんを抱えておられます。家族全員でつくり家族全員で売る、これこそがさぬき有機生産組合のもう一つの強さなのだと感じました。ほとんどが固定客で、かなり大きな取引先相手もあります。評価してもらえる人にだけ売り、値段を買いたたくようであれば出荷をしないという姿勢を通し、味に絶対の自信を持っておられます。また「生産者が自己満足でものをつくったらいかん」お客さんが何を欲しているかを感じ、それに応えられる、もしくはその期待以上のものを作っていくことが大事だと語ります。最近では味の追求だけでなく、抗酸化作用が通常の何倍もある紅くるり(赤大根)や体内で発生した活性酸素を取り除くと言われる成分ケルセチンを、従来のタマネギの約2倍含有するケル玉(玉ねぎ)などの機能性野菜を栽培し、常に消費者のニーズに敏感であろうと努力されています。

“作ること”にとことんこだわりながらも、常にお客さんの立場に立って最終的に“売ること”まで考え、日々邁進している宮下さんの姿に、センターもより一層“売ること”に努力を積むことで生産者の皆様を支えるとともに、より会員様のニーズに合ったものをお届けしていなければいけないという思いを新たにされました。 

 
MD部 農産チーム 杉本


一覧に戻る



メールでのお問い合わせ
ページトップへ