ホーム > オーガニックライフを楽しむ > 有機コラム >バイオダイナミック農法講演会レポート

有機生産者をとりまく状況から有機野菜の活用方法まで、
幅広い話題でコラムを掲載していきます。

バイオダイナミック農法講演会レポート

 昨年12月17日(土)会員さんのご紹介で、九州の阿蘇山のふもとで、バイオダイナミック農法を実践されているご夫妻の講演会を拝聴しました。バイオダイナミック農法(以下BD法)は、1924年に、ドイツのシュタイナーさんが、化学肥料の使用によって荒廃が始まり、これまでのように作物が収穫できなくなり、困窮していた農家の求めによって指導した農法です。現代の科学では、植物の光合成の源泉を太陽だけに求めていますが、地球は太陽系の一部であり、太陽系は宇宙の総体と関連しているので、宇宙全体が植物に関係していると提唱しています。
BD法は4つのエレメント(土・水・光・熱)と星座と月の動きが作物の生長に深く関係しているとしています。水の月は葉に、光の月は花に、熱の月は実に、土の月は根に影響を与えます。4つのエレメントが種に影響を与え、その後の生育を左右するので、いつの時期に何の種をまくか、毎年の種まきカレンダーが作られています。日本の農業も暦を参考にしているところもあるので、親近感をおぼえました。
 私が参加した昼からの講演の前半では奥様の祥子さんが、BD法を実践されている農場の様子をお話されました。
 お二人は26年前に南阿蘇に入植されて、現在は4丁の田んぼと畑を経営され、研修生も受け入れながら、家族と
牛三頭と生活されています。ハウス、雨除けもありますが、主に露地栽培をされており、雨が集中的に降る事が多いのですが、BD法のせいで、水はけもよく、ここのところの天候不順で近隣の農家さんが不作の中、作物の出来はよいそうです。たい肥を減らして、緑肥(牛の為に育てているクローバーと燕麦)と後半の講演で説明された調剤(肥料)のみでまかなっているとのことです。
 後半の講演では、ご主人のドニーさんが実際に使用している調剤のお話をしてくださいました。基本的には土壌に与える調剤と、土から上の植物に与える調剤を作ります。
 土壌に与える調剤は、冬の太陽の調剤と呼ばれています。地元の赤牛の雌牛の角に牛糞を詰めて10月から、4月まで深さ50cmの土の中に埋めます。匂いはなく甘い香りに変わっています。中身は甕に入れて1年から1年半の間、空気を遮断しないようにしてねかします。その後分量の水を入れて1時間くらいかき混ぜます。こうして出来た調剤はバケツに入れて箒で夕方地温が上がってから(霜がおりなくなった3月終わりから4月)にまきます。2から3回、秋にもまきます。夕方にまかれた調剤は朝露・夜露を呼び込み、おだやかに土壌に浸透します。
 葉に与える調剤は夏の太陽の調剤と呼ばれています。水晶の粉を水と練って雌牛の角に詰めます。水分が蒸発したら、5月から10月くらいまで土の中に埋めます。500番の調剤と同様にねかして、分量の水を入れて一時間かき混ぜます。その後、太陽が昇る前の夜明けまでに噴霧器で葉に散布します。葉に膜を張ることにより、虫がつきにくくなります。牛の角と糞が手に入らなければ、ご夫妻が送ってくださるそうです。
 熊本地震では建物の損壊は免れたそうですが、停電もあり、水路などはかなりの被害があったそうです。ご家族の協力もあり、今は前どおりに活動されているとのことです。遠いですが、一度訪れてみたいです。
 会員事業部 増井


一覧に戻る



メールでのお問い合わせ
ページトップへ