ホーム > オーガニックライフを楽しむ > 有機コラム >貴重な有機栽培のみかん

有機生産者をとりまく状況から有機野菜の活用方法まで、
幅広い話題でコラムを掲載していきます。

貴重な有機栽培のみかん

 最近よく、みかんの生産者のところに取材に行く機会があります。直接みかんの木をみせていただきながらいろいろな話を伺うと「有機栽培って本当にたいへん・・・。いや、今後生活が成り立っていくのかどうかというところまで来ているんじゃないか」とさえ思うこともあります。たとえば虫によって木が枯れていく=それは収入源がなくなることを意味するからです。私たちは「安全でおいしいものが欲しい。作ってください」と生産者に簡単に言ってしまいがち。生産者も「安全でおいしいものを作りたい」と、ご購入くださる皆様と自身の健康のために思っていらっしゃいますが、はたして生活ができなくなる状況に今後なっていったら・・・・・・?まずは皆さまに状況を知っていただきたく、みかんの病害虫について少し紹介します。

 

 

 

 


チャレンジ!みかんクイズ♪

  1. ゴマのような粒のついたみかんが時々ありますが、これはどうして起きたでしょう?
       A)虫のウンチがついたから
       B)虫がついたから
     
  2. 和歌山で慣行栽培で作られる露地のみかんの農薬回数は何回でしょう?
       A)23回
       B)14回   
     
  3. 今年は全国的にみかんの酸の抜けが遅いようです。どうしてでしょうか?
       A)8月半ばから9月にかけて雨が降らなかったから
       B)8月半ばから9月にかけて雨が多かったから


    (答えは下)

病害虫いろいろ

1.の「黒いゴマ」のようなものはヤノネカイガラムシで、みかんの葉・枝・果実に寄生して吸汁します。A)の虫のウンチでいえば、イセリアカイガラムシの排泄物にすす菌がついて葉っぱや果実がすすをかぶったように黒くなる病気があります。ほか、ルビーロウムシやツノロウムシという体がロウ物質でできた殻におおわれた虫の害があります。これらも枝や葉に寄生して吸汁するため、多発すると樹勢が衰えみかんの木が枯れる原因になります。また近年、特に深刻なのは天牛(カミキリ虫、ガットとも言う)による被害。8月から9月末に天牛が根本に卵を産み付け、その幼虫が樹皮の間を動いて木の養分を吸うことで樹勢が弱まり木が枯れていきます。対策はその卵を見つけ防除することですが、有機的なやりかたで決定的な方法はないようです。

これらを防ぐのに、たとえば有機リン剤の「スプラウト」という化学合成農薬や、「ダイセン」を使うとわりと簡単に防除することができるようですが、「スプラウト」を7月に撒いたとしても収穫の10月11月まで、その薬剤が果実に浸透し残っているいう生産者もいます。大阪愛農の生産者はそのような危険な化学合成農薬は一切使用しておりません。さらに慣行栽培では露地で14回、ハウス栽培では23回、しかも収穫の一週間前まで使用している方もいるとのことです。

 

黒すす病のみかんの木。なかには真っ黒になったみかんもある。有機JASで認められているマシン油乳剤で多少は防げるが、致命傷にならない程度の効果しかない。(小谷寿一さんのみかん園にて)
 

 

ルビーロウムシ。もっとびっしりついたみかんの枝もある。(堀田新吾さんのみかん園にて)

 

 

ナガタマムシの幼虫が幹と樹皮の間を動き回り養分を吸うため、木が弱り、樹皮がボロボロめくれる。被害が大きくなるとその枝を切り燃やすしか、他の木への影響を防ぐ方法はない。(堀田新吾さんのみかん園にて)

 

 

天牛(カミキリ虫)が卵を産みつけた跡。見つけたらこの穴から細い針金などで中の幼虫をほじくる等しか防ぐ方法がない。(西井ファームさんのみかん園にて)

 

 

天牛(カミキリ虫)の被害により、樹勢が弱まったみかんの木。半分はまだ元気だが、もう半分は枯れかけている。来年にはこの木は枯れ収穫ができなくなる。(池田文雄さんのみかん園にて)

 

 

右はサビダニ病。果実に虫が寄生して吸汁、傷ついた果皮はかさぶた状になって、果実全体が褐色または灰色に変色する。(堀田新吾さんのみかん)

 


天候によっても大きく左右される農産物

農産物の味は、その年その年の気候や環境によって大きく変わってきます。今年は梅雨が長引き8月半ばまですっきりしない天気で雨も多い日が続きました。その後本来、台風等の多雨の時期となるはずだったのが、1ヶ月も晴天続きに!灌水設備が十分でない生産地では、多少の水やりでは農産物の生育に間に合わず、旱魃による腐り・変形・秋冬野菜の芽が出てこないなどの被害が出ました。みかんについていえば、通常8月に晴天が続くことでみかんは糖度があがり、その後雨が降ることで酸抜けが進みますが、今年はその逆だったために味に影響が出ました。今(11月20日現在)はまた、適度に雨が降るようになったので、酸が抜け甘くおいしくなってきましたが。

今年は全国的に豊作年。10月上旬までで平年の2割ほど多いそうです。さらに消費の伸び悩みも背景にあり価格の暴落が見込まれています。実際に卸値価格は近年では最も低い水準だそうです。そこで生食用みかんのさらなる価格低落への対策として加工品向けの流通を増やし、生食用の出荷量を抑えるように、国は行政指導を行ったそうです。でも・・・・・・加工用のみかん収入では、肥料代すら出ないのではないかと思われます。
 

(センター・杉本)


クイズの答え


関連するページ


一覧に戻る



メールでのお問い合わせ
ページトップへ