ホーム > オーガニックライフを楽しむ > 有機コラム >センターの取り扱う牛肉「アルプス牛」について

有機生産者をとりまく状況から有機野菜の活用方法まで、
幅広い話題でコラムを掲載していきます。

センターの取り扱う牛肉「アルプス牛」について

  大阪愛農に牛肉を出荷頂いている肉屋「まぁの」さん。牛肉のお取引がスタートして、今年で5年目になります。2011年の11月、これまで黒毛和牛を出荷頂いていた広島東城愛農食品が生肉事業から撤退することを受け、提携団体「安全農産供給センター」からご紹介頂いたことがきっかけとなり、長野県大鹿村で肥育されたアルプス牛(黒毛和牛とホルスタインの交雑種)、そしてまもなく終了となる大鹿牛(黒毛和牛の経産牛)を出荷して頂いています。私達大阪愛農食品センターをはじめ、安全供給センター、愛媛有機農産生協などの提携団体といった、食の安心安全にこだわる消費者へ牛肉を供給されています。


3月の経木からの放射能検出について

  今年3月、ミートミーティングの参加後に私と代表の宮脇とでまぁのさんを訪問し、今後の牛肉の出荷について、代表の小村幸治さんと話し合いを行いました。アルプス牛や大鹿牛の肥育現場の現状などをお伺いし、その話の中から包装資材「経木」の話題となりました。その経木の産地が栃木県産だということをお伺いし、改めて経木の放射能測定をされたところ、経木からセシウム137が検出されるという結果がでました(5.34±2.41Bq/kg(検出下限値1.3))。小村さんのお話では経木の生産地が静岡県から栃木県に変更された時に測定を行い、不検出だったため使用をされていたそうです。

  今回の結果を受けて、まぁのさんでは経木の在庫を廃棄処分にして産地を四国に切替え、入荷した経木を即検査、安全性を確認の上で牛肉の出荷を再開しました。なお栃木産の経木で包んだ製品在庫も測定してところ、不検出の結果が出たため、ご了承頂ける方にのみ、供給することを各流通団体に伝えました。ちなみに大阪愛農ではこの件を受け、数名の方から牛肉の回収依頼を受けました。

  今回のことを受け、小村さんは自身が発行するフリーペーパーで「栃木の経木生産者には申し訳ありません。改めて原発に依存してきたこの国のエネルギー政策を強く問い直したいと思います。再稼動などもってのほか。一刻も早く原発のない社会を作りましょう。」とコメントされておられます。


大切にしたいアルプス牛の存在意義

 おまけ冊子12号のミートミーティングのレポートでもご報告致しましたように、アルプス牛を取り巻く環境は、飼料や子牛の価格高騰、また長野県の畜産業縮小傾向による飯田市の屠場の閉鎖、さらに大鹿村の人々の生活に関わるリニア問題など様々な問題を抱えています。しかし出荷頂いている大鹿村の生産者・青木さん、福澤さんのお二方の努力のおかげで、なんとか皆様のお手元においしい牛肉をお届けできている状況です。しかしこれまで長野県下でなんとか手に入っていた子牛の調達が難しくなり、現在の子牛の仕入先は群馬県となっております。会員の皆さんにとって一番心配なのは群馬県の子牛の放射能の影響だと思われますが、まぁのさんで扱う牛肉は屠場で1頭ごとに放射能検査をしています。屠場での測定基準について、測定下限が25Bq/kgと高いため、まぁのさんでは独自に「阪神・市民放射能測定所」に依頼して、放射能検査を行っております。経木の件でも迅速に対応頂いたことから分かるように、まぁのさんの誠実な人柄が伝わってきます。そして反原発やリニア問題への取り組みは、未来の地球や環境を守るという姿勢が十二分過ぎるほど伝わってきます。そして何よりも小村さんの誠実な姿勢が一番伺えるのはやはり本業である「精肉」に対する取り組みだとセンターでは考えています。

   2011年12月にウイークリーで初めてまぁのさんをご紹介した記事の文章をもう一度ご紹介します。


■生産者と消費者をつなぐ、「一頭買い」で確かなお肉を

  今のお肉は綺麗にパックされたものがお店に並んでいるので気づきにくいですが、肉屋という仕事には、どこか暗いイメージがあります。それはお肉の流通過程に『動物を捌く(解体する)』工程があるからです。でもそれがお肉なのであり、まぁのでは消費者の皆さんにもそのことを理解して頂いた上で召し上がって頂きたいと願っています。

  肉屋である私のところには捌かれて真空パックにされたパーツが届きますが、いのちを頂いているということは常に頭に置いています。流通の特徴をふまえて、生産者のお肉をきちんと届けるベストの方法『一頭買い』で調達しています。

  (『一頭買い』とは搬入した牛から得られる全てのパーツを引き取る買い方。売れにくい部位も買い取らなければならないため、普通の肉屋ではとらない方法です。)

  出来るだけ手作業で「お肉をスライスしたり、ミンチを作ったり、工程上どうしても欠かせない機械は使いますが、基本的に機械らしい機械は入れていません。機械化されない手仕事、手作業の部分を大切にしているから」だそうです。人間の手で、職人の技術で、お肉を加工するんだという小村さんの心意気の現れでもあると感じました。

  ※一部略

  「肉屋なんだけれども、どんどん売って繁盛したいとは思っていません。生産も小規模ですし、お店も小規模です。でも小規模なればこそ確かな中身を伝えることができると思っています。それに、お肉は沢山食べるものじゃなくて、ほんの少し、ほんの少し食べるだけで良いんです。それが身体にも良いんです。」

 (引用:ウイークリー2011年122号より)


  またアルプス牛を肥育していらっしゃる大鹿村の青木さん、福澤さんについても、小村さんと同じ志を持つ、グローバルな目線で未来を見据え、日々の自身の仕事に誇りを持ちながら取り組む生産者さんです。毎年参加するミートミーティングでは、様々な問題に直面しながらも、かつての日本の山村風景を残す、最も美しい村「大鹿村」を通じて見える日本の畜産業の行く末について真剣に語り、昨年訪れた大鹿村ツアーでは、青木さん、福澤さんが食べて頂く消費者のことを考えながら肥育する牛、そして自身が暮らす大鹿村に対する思いやこだわりを目の当たりにしたとき、このアルプス牛を流通させていただく意義を確信し、ただ牛肉を流通させているのでははく、青木さん、福澤さんという生産者さんの思いも一緒に消費者に届け、これかからの未来を考えていただくきっかけを伝える、まぁの小村さんの仕事の大きさに感激しました。それと同時にそんな意義を持つアルプス牛の流通の一端をセンターも担っていると思うと、私はこの大儀を会員の皆さんにお伝えできているのだろうかと自問自答し、ますます頑張らねば!と気持ちが高ぶりました。

   大阪愛農食品センターの存在意義の一つとして、「安心安全な食べ物を供給して頂く生産者を支える」ことがあります。その意義に反しないように努めると同時に、栽培履歴やトレーサビリティが不明瞭な商品は扱わない。そして誠意を持って生産に取り組む生産者が生み出した商品をお届けすることを誇りに流通を行いたいと考えています。

 

  大阪愛農ホームページにも、ここではご紹介しきれなかったまぁのさんに ついて詳しく書かれています。こちらも併せてご一読下さい。
  ★大阪愛農ホームページ まぁの紹介
  href="http://www.osaka-ainou.jp/life/producer/post_480/



一覧に戻る



メールでのお問い合わせ
ページトップへ