コープ自然派奈良理事長の辰巳さんは消費者からの問合せが多くあること、それらを受けてコープ自然派としては徹底した情報開示およびモニタリングをすることで消費者の安心安全にこたえたいと述べられました。放射性物質への対応窓口をつくっているというビオマーケットからは小林さんがパネリストでした。もともと有機農業を広めるために生産者との窓口業務と支援を担当されていたため、有機農業の栽培基準に放射性物質のことが触れられていないこと、今後は放射能汚染についても視野に入れた考え方が議論されるべきではないかと述べられました。エネルギーも含めた自給自足の生活を小さいころからしてきたという20代の大森さんからは、自分が守りたいものは次の世代であること、また今回の原発事故の出来事から逃げたくないため自分たちでエネルギーをつくりたいし考えていきたいと発表がありました。そして大阪愛農からは私・杉本が参加しました。有機農業運動は生産者・消費者お互いの支えあいが根底にあったものだったのに、消費者のための安全安心ばかりが強調されすぎてきたのではないか。そのため原発事故後の福島生産者を支えたり守る気持ちがあまりみられず生産者の健康や生活がおきざりにされているように感じると発言しました。
その後、第一部の3人の報告を受けてどう思ったかの感想にうつり、それをうけて再度3人の報告者もまじえたディスカッションへとうつりました。会場の参加者もふくめ今後の有機農業運動としての方向性、今後の社会や暮らし方やエネルギーはどうあるべきか、福島の生産者や農業に対して関西の私たちは何ができるかについて、下記のような意見がでました。
◎生産者の健康を心配してほしい。まず生産者の健康検査を一番にしてほしい。放射能の内部被曝による健康被害は大きいため、福島の生産者の避難をすぐに進めるべき。関西としてはその避難民受け入れの体制を整えていくべきでは。
◎「福島の生産者を支えよう」と呼びかけ、検出限界以下の農産物をとりあつかってもこれまでに比べるとかなり消費がおちている。支援金も長くは続かないだろうし、生産者も農産物を買ってもらってこそだろう。しかしこの運動では生産者は生活がなりたたない。新天地での再開が必要で、そのための支援体制が関西でつくれないだろうか。
◎原発があっても大丈夫なように、福島県内に野菜プラントをたてる案が浮上している。それでいいのだろうか?また、誰もが福島から逃げたら地域復興ができない。ひとつひとつ農産品の検査を行い、データを示しながら、受け入れ先を増やして頑張っていきたい。
◎福島は全国のお米の生産の5%を担っているほどの農業県。福島の農業がつぶれるということは何を意味するのか?食えなくなる状況になったら、何ベクレルだから食べる食べないの問題ではなくなる。自給すること=福島の農業を守ることが大事ではないか。
人によって考え方はいろいろです。そして有機農業運動は多様な生き方をお互いに受け入れるという考えが根底にあります。今回のシンポジウムを受け、また当日出会った人たちですでに新しい動きが始まっています。主催者である「農を変えたい!全国運動関西地域ネットワーク」としても、近々行われる反省会で今後の展望を話し合います。大阪愛農食品センターとしては今後も構成メンバーとして関わっていきますので、あらためて報告します。
(報告:センター・杉本)