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有機生産者をとりまく状況から有機野菜の活用方法まで、
幅広い話題でコラムを掲載していきます。

2012年有機JAS年次調査に立ち会って

初めて立ち会って【センター乾からの報告】

今年初めて年次監査に参加しました。杉本からの報告とは少し違った点で報告させていただきます。
私が昨年入社し、初めて任された業務が果物の在庫管理と発注業務でした。果物はある一定の期間の出荷です。みかんの季節が来たら、生産者に出荷をお願いします。リンゴやカキなども同じです。日本には四季があり1年という時間が流れていきます。基本的に果物は年1作です。これはどういったことを意味するか?頭ではわかっていたものの、実際その畑を目にするまでわかっていませんでした。

 

 


大阪愛農食品センターと有機みかん

大阪愛農食品センターが35年前(1977年創業)に産声をあげ、有機(当時は無農薬)で栽培したい、安心を届けたい、買い支えたいと皆が一丸となって思いを込めて栽培・販売・消費した作物の、一番最初は『みかん』でした。その有機のみかん畑が、今は何とも言えない姿になっていました。私自身は、35年前の畑を見ておりませんが、生産者からよくこんなお話を聞きます。
「ここにも大きな立派なみかんの木があってな、1本の木のみかんを収穫するのに、大人3人で半日もかかったんや。そら大変やったで。」確かに畑は、足場も悪く一歩踏み外せば命をおとしかねないようなところもありました。35年前もおそらく状況は今と変わらないと思います。“大変やった”という言葉の裏側には、年1回の作物がたわわに実り、今年も出荷できる、たくさんの方に食べていただけるという“うれしさ”や、やっとここまできたという“安心”の意味が含まれています。農家だけが毎年あじわうことのできる瞬間だと感じました。
 

 急斜面植えられたのみかんの樹

 

生産者の皆さんとお話をする中で、みかん畑が年々減っていて、収量も落ちているということがわかってきました。木が枯れては、苗木を買って植える。毎年植えているが枯れる数の方が多く実が成らない。虫、土、日照、温暖化、大気汚染、酸性雨・・・・いろいろなことが35年前と今とでは大きく違います。

 

 

朽ちたミカンの樹。カミキリムシの脱出口が見られます。


有機JAS制度の目指すところ

2000年に有機JAS制度が制定され2005年に大きく改定されました。その6年後、2011年に改定される予定でしたが、震災・原発影響で今年改定されます。有機JAS制度に対して、生産者、消費者から賛否両論あるかと思います。私も流通という立場から考え、感じていることがたくさんあります。


野菜や米、果物を自然の恩恵を得ながら、ある意味人間の都合で作っています。その中で、有機JAS制度はこんなことを定めています。


『農業の自然循環機能の維持増進を図るため・・・中略・・・土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに・・・中略・・・環境への負担をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。』

 

ぼやかした言い方ととらえられる方もいらっしゃるかもしれませんが、この意味は非常に深いと考えています。有機JASの定めでは、他にも肥料や有機許可農薬のことにも方針があります。肥料に対しては『地域内循環に努めること』、使用許可農薬に対しては『作物が危機に瀕したとき最終手段として使用』する。すなわち、出来る限り自然に沿った農法で栽培し、かつ、人が生きていくための永続性をもった農業であること。それが有機農業の本当の意味だと知らされました。

 

 


有機栽培の現状と今後の課題

野菜は年に何度でも栽培・収穫できます。果物はそうはいきません。栽培は多年生で収穫は年1回です。だからこそ、慎重になり病気や虫がつくのを避けるために、農薬と化学肥料が手放せなくなりました。それに比べて、有機栽培では選択肢が限られています。そこをどうするか?
生産者は、後がないような状況です。共に歩んできたセンターも、ただ果物ができるのを待っているわけにはいかなくなりました。永続的に有機農業をできるように、生産者と手を取り合って考えていきます。

 

 生産者と二人三脚で
 


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