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日本の安全な畜産業を考える「ミートミーティング」

 アルプス牛を出荷いただいている肉屋「まぁの」の小村さんから、毎年春の恒例行事である、生産者と流通、消費者が集う「ミートミーティング」が開催されるということで、早速参加してきました。
今回と次回に渡り、今回の記事をご報告したいと思います。

今年は大阪市浪速区にある社会福祉法人「ピースクラブ」さんの会議室をお借りし、約30名以上の消費者、流通団体が参加。前半はアルプス牛や和歌山TONTONの生産者3名から生産現場の現状を報告。また後半では今年は昨年11月に大筋合意となったTPPについて。このことがこれからの日本の畜産、そして未来の農業にどんな影響が現れるのかをゲストスピーカーの松平尚也さんにお話し頂くという、大変濃い内容のミーティングとなりました。今回の報告では前半の豚肉生産者の大浦さん、アルプス牛生産者の福澤さん、青木さんのお話をご報告いたします。

 まずは「ミートミーティング」のタイトル通り、牛肉・豚肉の生産者の3名(福澤さん、青木さん、大浦さん)から生産現場の現状報告。

 トップバッターは和歌山ポークTONTONの大浦さん。毎年のように飼料穀物の高騰や原油価格の影響を受け、大変苦しい経営をされているいうことですが、畜産を営む環境は相変わらず厳しい状況で、屠場での会話も、これまでは1日に800頭程解いて(※解体して食肉に加工すること)いたが、今は1日に120頭ほどだそうで、全体的な豚肉の生産量も大幅に減少している状況です。しかし今年度は東日本大震災以降、なかなか手に入りにくいとおっしゃっていた飼料米の確保に目途が立ったようで、飼料米の備蓄庫を増設する計画などがあるそうです。また以前のTONTONさん訪問でもお伝えしたように、後継者である娘婿の隆康さんががんばっておられるという明るい話題もご報告頂きました。

 また大浦さんは以前、消費者の方からハムに微量の亜硝酸が検出されたというご指摘にもお答えしていました。この件で大浦さんは香辛料などのすべての原材料を調べ、生産過程で混入することは100%なく、何が原因かわからないとかなり悩んでいました。しかしハムの加工工程で自然発生することが分かり、その後、時間の経過でその量が減っていき、なかなか発見もされなったそうです。大浦さんは「昔、(慈光会の)梁瀬義亮先生が『ハムを作る過程で、自然発生する亜硝酸塩が発見され、それがボツリヌス菌を殺すことがわかった。この発見からハム類に亜硝酸塩を添加するようになった』とおっしゃっていたのを思い出した。」と話していました。

 続いては大鹿村からアルプス牛の生産者である福澤さん、そして昨年お亡くなりになった青木清さんの息子さんの青木連(れん)さん。福澤さんからは毎年値上がりしている和牛の価格がさらに高騰している現状を伺いました。長野の仔牛生産農家が廃業し、比較的値段も適正だった群馬県の仔牛生産農家から仕入れているのですが、この1年も価格が高騰し、なんと10万円以上も値上がりしたそうですが、さらに一般市場をみれば1頭100万円もする仔牛も出てきているそうです。こんな状況の中で、仔牛の頭数を確保するのも一苦労で、いろんな業者を当たって頭数を確保しているとの事でした。

 そして群馬の仔牛業者に切り替えてから発生した抗生剤「モネンシン」の問題について。モネンシンは飼料添加剤として普及しており、ここ数年で使用率が高くなってきているそうです。仔牛の生産農家でモネンシン入りの飼料を与えており、その間の発育が非常に良いのですが、福澤さんたち肥育農家に移り、モネンシンのない飼料に切り替えると下痢が止まらなくなり、最悪の場合、死に至るそうです。こういったことから、対策として約2ヶ月かけて少しづつモネンシンを減らしていくことで、仔牛の体調を保っているそうです。しかしこの数か月、いろいろと対策を講じ、雌牛は止めてもそんなに影響がないことなども分かり、今後もモネンシンに対する対策を講じていくそうです。

 

 


お父様から受け継いだアルプス牛の肥育

 福澤さんに続いて、今回初めてミートミーティングに参加した青木連さん。一昨年ごろから少しづつお父さんの清さんの元で牛の肥育を学び、昨年の清さんの死去以後、多くの方の助けを借りながら、アルプス牛の肥育を続けています。

また清さんが亡くなる前に、今後の事も考えて仔牛の生産も同時に行っていたそうで、それが現在、青木家の大きな収入の一つにもなっているそうです。こういった父・清さんの思いを受け継ぎ、父の背中を追い続ける連さんのような生産者を私たちは買い支えなければと、改めて実感しました。

次号Part2に続きます。

プロモーション部 葛上



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